ライラックを植えてはいけない?理由と育て方の秘訣

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春の訪れを告げる甘い香りと美しい花が魅力のライラック。お庭のシンボルツリーに迎えたいと考える方は多いでしょう。しかし、インターネットで調べると「ライラック 植えてはいけない」という気になる言葉を目にすることがあります。縁起の悪い植物という噂や、猫に危険だという情報、さらには様々なデメリットを知って、植えてから後悔したくないですよね。実は、いくつかのポイントを押さえれば、庭植えでも鉢植えでもライラックの美しい花を毎年楽しむことは十分に可能です。この記事では、ライラックを小さく育てる方法や、暖かい地域でも育てやすい姫ライラックの魅力も交えながら、植えてはいけないと言われる理由とその具体的な対策を、園芸のプロが詳しく解説します。

  • ライラックを植えてはいけないと言われる具体的な理由
  • 庭植えや鉢植えで上手に育てるための対策
  • コンパクトな姫ライラックの魅力と選び方
  • 剪定や夏越しなど年間を通した管理のコツ
目次

「ライラック 植えてはいけない」と言われる理由

  • ライラックを植えることのデメリット
  • 植えてから後悔しないための注意点
  • 暑さに弱い性質と夏越しのコツ
  • 縁起の悪い植物という噂は本当?
  • ライラックは猫に危険という情報

ライラックを植えることのデメリット

ライラックが「植えてはいけない」と言われる背景には、いくつかの具体的なデメリットが存在します。これらを理解せずに植えてしまうと、後々の管理に苦労することになりかねません。

ライラックを植える前に知っておきたい主なデメリット

  • 思った以上に大きくなる:一般的なライラックは高木に分類され、品種によっては樹高が5〜6m、枝張りも4〜5mに達することがあります。十分なスペースを確保しないと、建物や他の植物を圧迫してしまいます。
  • 暑さに非常に弱い:冷涼な気候を好むため、日本の高温多湿な夏は苦手です。特に西日が強く当たる場所では葉焼けを起こしやすく、株が弱る原因となります。
  • 花が咲かないことがある:適切な管理をしないと花付きが悪くなることがあります。特に剪定の時期や方法を間違えると、翌年の花芽を切り落としてしまい、花が咲かなくなってしまいます。
  • 病害虫のリスク:風通しが悪いと、うどんこ病やカイガラムシ、テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)などの病害虫が発生しやすくなります。
  • 台木に乗っ取られる可能性:園芸店で販売されているライラックの多くは、病気に強い「イボタノキ」という別の木に接ぎ木されています。管理が悪いとライタック部分が枯れてしまい、台木のイボタノキが成長して全く違う木になってしまうことがあります。

これらのデメリットは、ライラックの性質を理解し、適切な対策を講じることで十分に克服できます。しかし、何も知らずに植えてしまうと「こんなはずではなかった」と後悔につながる可能性があるため、注意が必要です。

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これらのデメリットを知ると少し不安になるかもしれませんが、一つ一つの対策は決して難しくありません。次の項目で、後悔しないための具体的なポイントを見ていきましょう。

植えてから後悔しないための注意点

ライラックを庭に迎えてから後悔しないためには、植え付け前の計画が非常に重要です。勢いで植えてしまうのではなく、以下のポイントをしっかりと確認しましょう。

1. 植え付け場所を慎重に選ぶ

ライラックの生育を左右する最も重要な要素が「場所選び」です。以下の条件を満たす場所を探してください。

  • 日当たりが良く、風通しの良い場所:病害虫を防ぎ、健全な成長を促すために不可欠です。
  • 西日を避けられる場所:夏の強い西日は葉焼けや株の弱りの原因になります。建物の東側や、午後に日陰ができる落葉樹の近くなどが理想的です。
  • 水はけの良い土壌:過湿を嫌うため、水はけの良い場所を選びましょう。粘土質の土壌の場合は、腐葉土やパーライトを混ぜて土壌改良が必要です。
  • 十分なスペースがある場所:前述の通り、ライラックは大きく成長します。将来の樹高や枝張りを考慮し、建物や隣家との距離を最低でも2〜3mは確保しましょう。

2. お住まいの地域に合った品種を選ぶ

ライラックには多くの園芸品種があり、それぞれ耐暑性や樹高が異なります。特に関東以西の暖かい地域で育てる場合は、品種選びが成功のカギとなります。

比較的、暑さに強いとされる「姫ライラック」やその園芸品種(’ペンダ’、’ミスキム’など)を選ぶと、暖地でも育てやすくなります。自分の住んでいる地域の気候に適した品種を選ぶことが、後悔しないための第一歩です。

3. 成長後の姿をイメージする

小さな苗木の状態で購入することが多いですが、数年後には見上げるほどの大きさに成長する可能性があります。シンボルツリーとして庭の主役にするのか、生垣の一部にするのかなど、成長後の姿を具体的にイメージし、庭全体のバランスを考えて植え付け場所を決めましょう。

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「大きくなりすぎたから」という理由で伐採するのはとても悲しいことです。植える前に、10年後の庭を想像してみることが大切ですよ。

暑さに弱い性質と夏越しのコツ

ライラックの栽培で最も難しいのが「夏越し」です。原産地がヨーロッパの冷涼な地域であるため、日本の高温多湿な夏はライラックにとって非常に過酷な環境です。しかし、いくつかのコツを押さえることで、夏を乗り切り、秋からの成長につなげることができます。

ライラックを夏越しさせるための3つの重要ポイント

  1. 西日対策を徹底する
    夏の午後の強い西日は、ライラックにとって最も有害です。葉が焼け、株全体が弱る原因となります。植え付けの段階で西日が当たらない場所を選ぶのが最善ですが、それが難しい場合は、夏の間だけ遮光ネット(寒冷紗など)を設置して日差しを和らげてあげましょう。
  2. 株元のマルチングで地温上昇を防ぐ
    夏の直射日光は土の温度を急激に上昇させ、根にダメージを与えます。これを防ぐために、株元を腐葉土やウッドチップなどで覆う「マルチング」が非常に効果的です。マルチングには、地温の上昇抑制だけでなく、土の乾燥防止や雑草の抑制といったメリットもあります。
  3. 水やりは朝の涼しい時間帯に
    地植えの場合、根付いてしまえば頻繁な水やりは不要ですが、夏に乾燥が続く場合は水やりが必要です。その際は、気温が上がる日中を避け、早朝の涼しい時間帯にたっぷりと与えましょう。葉に水がかかると蒸れて病気の原因になるため、株元に静かに注ぐのがポイントです。鉢植えの場合は土が乾きやすいため、土の表面が乾いたら毎日水やりをします。
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特に鉢植えの場合は、コンクリートの照り返しで鉢が高温になりがちです。すのこの上に置くなど、地面から少し離して風通しを良くする工夫も効果的ですよ。

これらの対策を講じることで、ライラックが夏を乗り越えられる可能性は格段に上がります。少しの手間をかけて、大切なライラックを守ってあげましょう。

縁起の悪い植物という噂は本当?

「ライラックを植えてはいけない」と言われる理由の一つに、「縁起が悪い」という噂があります。特に、プレゼントとして贈る際には気になる情報かもしれません。

この噂の出どころは、主にイギリスの一部の地域に伝わる言い伝えにあります。

イギリスでは、紫のライラックを婚約中の女性に贈ると「婚約破棄」を意味するという言い伝えがあったり、白いライラックは「不幸を招く花」として家の中に飾ることを嫌う風習があったりしたそうです。これは、かつて棺を飾る花として使われた歴史に由来するとも言われています。

しかし、これらの言い伝えはあくまでイギリスの一部での話であり、日本の文化や風習とは全く関係ありません。

むしろ、フランスではライラック(フランス語でリラ)は春の訪れを告げる希望の象徴とされ、白いライラックは「青春のシンボル」として愛されています。日本でも、北海道の札幌市では「市の木」に選定されており、毎年「さっぽろライラックまつり」が開催されるなど、多くの人々に親しまれている花木です。

ライラック全体の花言葉は「思い出」「友情」「謙虚」など、ポジティブなものがほとんどです。色別の花言葉も素敵です。

  • 紫のライラック:「恋の芽生え」「初恋」
  • 白のライラック:「青春の喜び」「無邪気」
  • ピンクのライラック:「思い出」

結論として、日本においてライラックが縁起の悪い植物であるという事実はありません。安心して庭に植えたり、プレゼントとして贈ったりして大丈夫です。もし気になる方がいる場合は、このような背景を説明してあげると良いでしょう。

ライラックは猫に危険という情報

ペット、特に猫を飼っているご家庭では、庭に植える植物の毒性が非常に気になるところです。「ライラックは猫に危険」という情報を目にすると、植えるのをためらってしまいますよね。

結論から言うと、ライラック(学名:Syringa vulgaris)は、猫や犬、馬などのペットに対して毒性がないとされています。

これは、ペットのいる家庭のための植物の安全性に関する情報を提供している信頼性の高い機関、ASPCA(米国動物虐待防止協会)のリストにも明記されています。

ASPCAの公式サイトによると、一般的なライラック(Common Lilac)は猫や犬に対して無毒(Non-Toxic)と分類されています。(参照:ASPCA Animal Poison Control Center

したがって、猫がライラックの葉や花を少量かじってしまっても、深刻な中毒症状を引き起こす心配はほとんどありません。

ただし、注意点もあります

  • どんな植物も食べ過ぎは禁物:無毒の植物であっても、大量に摂取すれば消化不良を起こし、嘔吐や下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
  • 農薬や殺虫剤の危険性:植物自体に毒がなくても、散布された農薬や殺虫剤がペットにとって有害な場合があります。ペットのいるご家庭では、薬剤の使用に十分注意が必要です。
  • 「カリフォルニアライラック」との混同:見た目が似ている「カリフォルニアライラック(セアノサス)」という植物がありますが、これはライラックとは全く別の種類の植物です。セアノサスも一般的に無毒とされていますが、植物を混同しないように注意しましょう。
EL
安心して大丈夫ですが、ペットが植物を食べる習慣がある場合は、念のため近づけないようにするなどの配慮をすると、より安心ですね。

ライラックはペットフレンドリーな庭づくりにおいて、比較的安全な選択肢の一つと言えるでしょう。

「ライラック 植えてはいけない」は育て方次第

  • 庭植えで失敗しないためのポイント
  • 鉢植えで楽しむライラックの育て方
  • ライラックを小さく育てる剪定方法
  • 姫ライラックなら暖地でも育てやすい
  • ライラックを植えるメリットとは?
  • 「ライラック 植えてはいけない」は誤解?

庭植えで失敗しないためのポイント

ライラックを庭植えで元気に育てるためには、いくつかの重要なポイントがあります。「植えてはいけない」と言われるデメリットを回避し、毎年美しい花を楽しむための具体的なコツをご紹介します。

1. 土壌改良で水はけを良くする

ライラックは過湿を嫌うため、水はけの良い土壌環境が必須です。日本の庭は粘土質で水はけが悪いことが多いので、植え付け前の土壌改良が成功の鍵を握ります。

植え穴を掘る際に、掘り上げた土に腐葉土や堆肥を3〜4割ほど混ぜ込みましょう。これにより、土がふかふかになり、水はけと通気性が格段に向上します。植え穴は、根鉢の2倍以上の幅と深さで掘ると、根が伸びやすい環境を作れます。

2. 植え付けは「浅植え」を基本に

苗を植え付ける際は、深植えにならないように注意してください。根鉢の土の表面が、周囲の地面の高さと同じか、少し高くなるくらい(これを「浅植え」と言います)が理想です。深植えすると根が呼吸しにくくなり、根腐れの原因となります。

3. 肥料の与えすぎに注意

ライラックは、それほど多くの肥料を必要としません。肥料の与えすぎ、特に窒素成分が多い肥料は、葉ばかりが茂って花付きが悪くなる「つるぼけ」の原因になります。

  • 元肥:植え付け時に、緩効性化成肥料を土に混ぜ込む程度で十分です。
  • 追肥:年に2回、肥料を与えます。
    • 寒肥(かんごえ):冬の1月〜2月頃に、有機質肥料(油かすや骨粉など)を株元に施します。春からの成長のエネルギーになります。
    • お礼肥(おれいごえ):花が終わった後の5月〜6月頃に、寒肥と同様の肥料を施します。花を咲かせてくれたお礼と、来年のための栄養補給です。

4. 接ぎ木部分から出る「ひこばえ」はすぐに切る

多くのライラックは「イボタノキ」に接ぎ木されています。株元から、ライラックの葉とは違う形の芽(ひこばえ)が出てきたら、それは台木のイボタノキの芽です。放置するとイボタノキに乗っ取られてしまうため、見つけ次第、根元から切り取るようにしましょう。

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これらのポイントを押さえるだけで、庭植えでの失敗はぐっと減ります。特に最初の土壌改良は大切なので、少し手間をかけてあげてくださいね。

鉢植えで楽しむライラックの育て方

「庭に植えるスペースはないけれど、ライラックを楽しみたい」という方には、鉢植えでの栽培がおすすめです。鉢植えなら、ベランダや玄関先でも育てることができ、夏の暑い時期には涼しい場所へ移動できるという大きなメリットがあります。

鉢の選び方

苗木に対して、一回りから二回り大きな鉢を選びましょう。最初から大きすぎる鉢に植えると、土が乾きにくく根腐れの原因になります。材質は、通気性の良い素焼き鉢やテラコッタ鉢がおすすめです。鉢の成長に合わせて、2〜3年に一度、一回り大きな鉢に植え替えていきます。

用土の準備

水はけの良さが重要なので、市販の「花木用の培養土」を使うのが手軽で確実です。自分で配合する場合は、「赤玉土(小粒)7:腐葉土3」の割合で混ぜた土が良いでしょう。元肥として緩効性化成肥料を少量混ぜ込んでおきます。

水やりの管理

鉢植えは地植えに比べて土が乾燥しやすいので、水やりが重要な管理作業になります。

「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」のが基本です。特に春の成長期や夏場は水切れしやすいので、毎日土の状態をチェックしましょう。ただし、常に土が湿っている状態は根腐れの原因になるので、水のやりすぎには注意してください。

植え替え

鉢の中で根がいっぱいになると「根詰まり」を起こし、成長が止まったり、水はけが悪くなったりします。2〜3年に1回を目安に、休眠期である11月〜3月に植え替えを行いましょう。

  1. 鉢から株を慎重に抜き取ります。
  2. 古い土を3分の1ほど優しく落とし、黒ずんだ古い根や傷んだ根を切り取ります。
  3. 一回り大きな鉢に新しい用土で植え付けます。
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鉢植えは管理の手間はかかりますが、その分、成長を間近で感じられる楽しさがあります。コンパクトな姫ライラックなら、鉢植えにぴったりですよ。

ライラックを小さく育てる剪定方法

「ライラックは大きくなるから植えられない」と諦めている方も多いかもしれませんが、適切な剪定を行うことで、樹高をコントロールし、コンパクトに育てることが可能です。しかし、ライラックの剪定は時期と方法を間違えると花が咲かなくなるため、注意が必要です。

剪定の最重要ポイント:時期は「花後すぐ」!

ライラックは、その年の夏(7月〜8月頃)には、翌年咲く花芽を枝の先端に作り始めます。そのため、夏以降に剪定してしまうと、花芽ごと枝を切り落としてしまい、翌年花が全く咲かなくなってしまいます。剪定の適期は、花が終わった直後の5月〜6月です。この時期を逃さないようにしましょう。

基本的な剪定(透かし剪定)

ライラックは自然に樹形が整いやすい木なので、毎年大幅に切り詰める必要はありません。基本は「透かし剪定」です。風通しと日当たりを良くするために、以下の不要な枝を付け根から切り取ります。

  • 枯れ枝:枯れている枝。
  • 内向きの枝:幹の中心に向かって伸びている枝。
  • 交差している枝:他の枝とぶつかっている枝。
  • ひこばえ:株元から生えてくる細い枝。
  • 徒長枝(とちょうし):上に向かって勢いよく真っ直ぐ伸びている枝。樹形を乱し、他の枝の栄養を奪います。

同時に、咲き終わった花がらも花穂のすぐ下で切り取りましょう。花がらを放置すると種を作るために栄養が使われ、株が疲れてしまいます。

強剪定で小さくしたい場合

大きくなりすぎたライラックを小さくしたい場合でも、一度にバッサリと強く切り詰める「強剪定」は避けるべきです。ライラックは萌芽力(切った場所から新しい芽を出す力)が弱く、強剪定をするとそのまま枯れてしまう危険性があります。

もし樹高を低くしたい場合は、2〜3年かけて段階的に行います。

  1. 1年目:全体の3分の1程度の太い枝を、低い位置で切る。
  2. 2年目:残りの枝の半分を同様に切る。
  3. 3年目:残りの枝を切る。

このように時間をかけることで、木への負担を最小限に抑えながら、サイズを小さく更新していくことができます。

姫ライラックなら暖地でも育てやすい

「ライラックは好きだけど、うちは暖かい地域だから育てるのは無理…」と諦めている方にぜひ知ってほしいのが、「姫ライラック(ヒメライラック)」の存在です。

姫ライラックは、一般的なライラック(Syringa vulgaris)とは少し種類が違う近縁種(Syringa meyeri)で、その名の通りコンパクトな性質を持っています。

姫ライラックの魅力

  • コンパクトな樹形:一般的なライラックが数メートルに育つのに対し、姫ライラックは樹高が1m〜1.5m程度と非常にコンパクトです。そのため、広い庭がなくても鉢植えや小さな花壇で気軽に楽しむことができます。
  • 優れた耐暑性:一般的なライラックよりも暑さに強い性質を持っているため、関東以西の温暖な地域でも育てやすいのが最大のメリットです。
  • 豊かな香り:樹高は小さいですが、花の香りはライラックそのもの。甘く優しい香りを楽しむことができます。
  • 返り咲きする品種も:品種によっては、春だけでなく秋にも花を咲かせる「返り咲き性」を持つものもあります。

代表的な姫ライラックの品種

  • 姫ライラック ‘ペンダ’(PW):国際的なブランドであるPW(Proven Winners)が販売する品種。非常にコンパクトで、春と秋に花が咲く返り咲き性が魅力です。
  • 姫ライラック ‘ミスキム’:耐暑性に優れ、暖地での栽培実績も多い人気の品種。淡いラベンダー色の花を咲かせます。
  • 姫ライラック ‘パリビン’:矮性(わいせい)で、鉢植えに最適な品種として古くから知られています。
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姫ライラックの登場によって、これまでライラックの栽培が難しかった地域でも、あの美しい花と香りを楽しめるようになりました。園芸店やオンラインショップでぜひ探してみてください。

ライラックを植えたいけれどスペースや気候で悩んでいる方は、姫ライラックを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

ライラックを植えるメリットとは?

これまで「植えてはいけない」と言われる理由やデメリットを中心に解説してきましたが、もちろんライラックにはそれを上回るたくさんの魅力と植えるメリットがあります。

ライラックを庭に迎える喜び

  • 春を告げる美しい花:円錐状に集まって咲く小さな花の集合花(花房)は、非常に華やかで見ごたえがあります。満開の時期には木全体が花で覆われるようで、春の庭の主役になってくれます。
  • うっとりするような甘い香り:ライラックの最大の魅力の一つが、その芳香です。香水の原料にもなるほどの上品で甘い香りが庭中に漂い、リラックス効果をもたらしてくれます。窓を開けておけば、部屋の中まで香りが届くことも。

  • シンボルツリーとしての存在感:
    すっと伸びる樹形は美しく、洋風の庭にも和風の庭にもよく合います。家の新築記念や子どもの誕生記念など、家族の歴史と共に成長するシンボルツリーとして最適です。

  • 豊富な花色と品種:代表的な薄紫色のほかにも、白、ピンク、赤紫、青みがかった紫など、花色が豊富です。一重咲きだけでなく八重咲きの品種もあり、好みに合わせて選ぶ楽しみがあります。
  • 幸運のお守り「ラッキーライラック」:通常、ライラックの花びら(花冠の裂片)は4枚ですが、ごくまれに5枚のものが見つかることがあります。これは「ラッキーライラック」と呼ばれ、見つけると幸せが訪れるという素敵な言い伝えがあります。
EL
四つ葉のクローバーを探すように、家族でラッキーライラックを探すのも楽しい時間になりますね。

これらのメリットを考えると、適切な場所で正しい管理をすれば、ライラックはガーデニングライフを豊かにしてくれる素晴らしいパートナーになることは間違いありません。

「ライラック 植えてはいけない」は誤解?

この記事を通して、「ライラック 植えてはいけない」と言われる理由とその対策について詳しく見てきました。

結論として、この言葉は「何も知らずに安易に植えてはいけない」という意味合いが強く、「絶対に植えてはいけない」というわけではないことがお分かりいただけたかと思います。

確かに、ライラックには以下のような、栽培が難しいとされる側面があります。

  • 大きく成長するため、広いスペースが必要
  • 日本の夏の高温多湿が苦手
  • 剪定の時期や方法を間違えると花が咲かない

しかし、これらのデメリットは、

  • 植える前に将来の大きさを考慮し、適切な場所を選ぶ
  • マルチングや西日対策で夏越しをサポートする
  • 花後すぐに透かし剪定を行う
  • 暖地では耐暑性のある「姫ライラック」を選ぶ

といった正しい知識と対策によって、十分に乗り越えることが可能です。

EL
「植えてはいけない」という強い言葉は、過去に失敗してしまった人の経験から生まれた、ある種の警告なのかもしれませんね。

縁起が悪いという噂や、ペットに危険という情報は誤解であり、むしろ美しい花と香りで私たちの暮らしを豊かにしてくれる多くのメリットを持っています。ライラックの性質を正しく理解し、少しだけ手間をかけてあげることで、毎年春の訪れを心待ちにさせてくれる、かけがえのない存在になるでしょう。

まとめ:ライラックを後悔なく育てるために

  • 「ライラック 植えてはいけない」は、大きく育ち暑さに弱いなどの性質を知らずに植えると後悔するという意味合いが強い
  • 一般的なライラックは樹高5m以上になることもあり、十分な植栽スペースが必要
  • 日本の高温多湿な夏が苦手で、特に関東以西の暖地では夏越しの工夫が不可欠
  • 対策として、株元のマルチングや西日を避ける場所選びが重要
  • 剪定時期は花後すぐの5月~6月で、これを逃すと翌年の花芽を切ってしまい花が咲かなくなる
  • 強剪定に弱く、一度に強く切り詰めると枯れるリスクがあるため、透かし剪定が基本
  • 「縁起が悪い」という噂はイギリスの一部での話で、日本では全く関係ない
  • 花言葉は「友情」「思い出」「初恋」などポジティブなものが多い
  • ASPCAによるとライラックは猫や犬に無毒とされており、ペットのいる家庭でも比較的安全
  • 庭植えでは水はけの良い土壌への改良と、浅植えが成功のポイント
  • 鉢植えなら場所の移動が可能で、ベランダなどでも育てられる
  • 暖地で育てるなら、耐暑性がありコンパクトな「姫ライラック」が非常におすすめ
  • 姫ライラックは樹高1.5m程度で、鉢植えにも向いている
  • 美しい花と甘い香りはライラック最大の魅力で、春の庭のシンボルツリーになる
  • 正しい知識を持って管理すれば、ライラックはガーデニングを豊かにしてくれる素晴らしい花木である
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この記事を書いた人

植物を愛するガーデニングブロガー。
植物と暮らす楽しさを、みんなにわかりやすくお届けします。

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