かわいらしい花を次々と咲かせるオキザリスですが、花が終わったらどのようにお手入れすればよいか迷いますよね。特に、植えっぱなしで育てられるのか、冬越しの方法、そして球根の掘り上げは必要なのかといった疑問は尽きません。また、鉢植えや地植えでの育て方の違い、枯れる原因と対策も知っておきたい大切なポイントです。この記事では、オキザリスはどうやって増やしますか、オキザリスの剪定時期はいつですかといった具体的な疑問にもお答えしながら、花後の正しい管理方法を詳しく解説していきます。
- 花が終わった後の具体的な手入れ方法
- 植えっぱなしで育てる際のメリットとデメリット
- 品種に合わせた正しい冬越しの手順
- オキザリスを元気に育て、来年も花を楽しむためのコツ
オキザリスの花が終わったらするべき手入れ
- 基本的な育て方と管理方法
- オキザリスの剪定時期はいつですか
- 鉢植えでの管理ポイント
- 地植えでの管理ポイント
- 植えっぱなしで大丈夫?
基本的な育て方と管理方法
オキザリスの花が終わった後の手入れで最も大切なことは、葉が自然に枯れるまで、そのままにしておくことです。花が終わっても、葉は光合成を続けて来年の開花に必要な栄養を球根に蓄えています。この時期に葉を刈り取ってしまうと、球根が十分に太れず、翌年の花付きが悪くなったり、最悪の場合咲かなくなったりします。
具体的な管理方法としては、まず咲き終わった花がらをこまめに摘み取ります。花がらを放置すると、種を作るために余計なエネルギーが使われてしまい、球根に栄養が回りにくくなるからです。また、見た目がすっきりするだけでなく、病害虫の予防にもつながります。
葉が緑色の間は、これまで通り日当たりの良い場所で管理し、土が乾いたら水やりを続けます。やがて葉が黄色く変色し、自然に枯れてきたら、それは休眠期に入るサインです。葉が完全に枯れたら、水やりをストップしましょう。
花後の管理3つのポイント
- 花がら摘み:咲き終わった花は、茎の根元からこまめに摘み取る。
- 葉の維持:葉は自然に枯れるまで切らずに残し、光合成をさせて球根を太らせる。
- 水やり:葉が緑の間は続けるが、葉が枯れ始めたら徐々に減らし、完全に枯れたら休眠期に入るので水やりを止める。
オキザリスの剪定時期はいつですか
オキザリスには、庭木のように毎年決まった時期に行うような厳密な「剪定」は基本的に必要ありません。しかし、より元気に美しく育てるために行う手入れとして、「花がら摘み」と「切り戻し」の2種類があります。
まず「花がら摘み」は、開花期間中にしぼんだ花をその都度摘み取る作業です。これは前述の通り、株のエネルギー消耗を防ぎ、次の開花を促すために重要なので、こまめに行いましょう。
次に「切り戻し」ですが、これは葉が茂りすぎて株が蒸れたり、日照不足で茎が間延び(徒長)して形が乱れたりしたときに行います。切り戻しを行うことで、風通しが良くなり病害虫の予防になるほか、脇芽の発生を促してより安定した株に育てる効果が期待できます。時期としては、葉が混み合ってきたと感じた生育期間中や、休眠期に入る直前が適しています。思い切って株元から数センチの高さで刈り込んでも、オキザリスは丈夫なのでまた新しい芽を出してくれます。

鉢植えでの管理ポイント
鉢植えのオキザリスは、地植えと比べて管理がしやすい反面、いくつか注意すべきポイントがあります。最も重要なのは、水やりと置き場所の管理です。
鉢植えは地植えよりも土が乾燥しやすいため、生育期には土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えるのが基本です。ただし、オキザリスは過湿を嫌うため、常に土が湿っている状態は根腐れの原因になります。水のやり過ぎには十分注意しましょう。
また、鉢植えの大きなメリットは、季節に応じて最適な場所に移動できることです。
- 生育期:日当たりの良い場所で管理し、しっかりと光合成をさせます。
- 休眠期(夏越し・冬越し):品種によって休眠期が異なります。夏に休眠する秋植え品種は雨の当たらない涼しい日陰へ、冬に休眠する春植え品種は霜や凍結を避けられる軒下や室内へ移動させましょう。
このように、品種の性質に合わせて置き場所を変えることで、枯れるリスクを大幅に減らすことができます。
地植えでの管理ポイント
地植えのオキザリスは、一度根付いてしまえば基本的に手間いらずで、植えっぱなしでも元気に育ちます。しかし、その旺盛な繁殖力には注意が必要です。
品種によっては、地下の球根(分球)や地下茎、さらには種で驚くほど広範囲に増えていきます。そのため、他の植物の領域を侵食してしまったり、管理できないほど増えすぎて困ったりすることがあります。
地植えでの増えすぎ対策
地植えにする際は、あらかじめ増えても良い範囲を決めておくことが重要です。花壇の縁に植える、あるいは土の中にプラスチックの板などで仕切り(根止め)を埋め込むといった対策が有効です。計画なしに植えてしまうと、後で取り除くのが大変になる可能性があるので注意しましょう。
水やりに関しては、植え付け時にたっぷりと与え、根付くまでは土が乾いたら水やりをしますが、その後は降雨に任せて問題ありません。日照りが続いて土がカラカラに乾燥している場合に限り、水を与える程度で十分です。
また、水はけの悪い場所に植えると根腐れの原因になるため、植え付け前に腐葉土や川砂を混ぜて土壌を改良しておくことをおすすめします。
植えっぱなしで大丈夫?
「オキザリスは植えっぱなしでも大丈夫?」という疑問は、多くの方が抱くことでしょう。結論から言うと、品種を選べば2〜3年は植えっぱなしでも問題なく花を咲かせます。
しかし、植えっぱなしにはメリットとデメリットの両方があります。最大のメリットは、何と言っても手間がかからないことです。毎年球根を掘り上げる必要がなく、自然に増えて群生する美しい姿を楽しめます。
一方で、デメリットも存在します。数年経つと地中で球根が密集しすぎて「根詰まり」状態になります。すると、養分や水分が十分に行き渡らなくなり、球根が大きく育たず、結果として花付きが悪くなったり、葉が小さくなったりします。また、葉が密集することで風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなるという問題もあります。



植えっぱなしにするか、定期的に植え替えるかは、管理にかけられる手間や、どのように育てたいかに合わせて判断すると良いでしょう。
オキザリスの花が終わったら知りたい育て方
- 球根の掘り上げは必要?
- 正しい冬越しの方法
- オキザリスはどうやって増やしますか
- よくある枯れる原因と対策
- オキザリスの花が終わったら試すこと
球根の掘り上げは必要?
オキザリスの球根の掘り上げは、必ずしも毎年行う必要はありません。しかし、前述のように植えっぱなしにはデメリットもあるため、定期的に掘り上げることをおすすめします。掘り上げには、以下のような多くのメリットがあります。
球根を掘り上げるメリット
- 増えすぎ防止:繁殖力をコントロールし、庭が占領されるのを防ぎます。
- 良い球根の選別:大きくて健康な球根だけを選んで植え直すことで、翌年の花付きが良くなります。
- 病害虫のリセット:土の中に潜む病原菌や害虫を減らし、健康な状態で再スタートできます。
- 土壌環境の改善:新しい用土に植え替えたり、庭土をリフレッシュしたりする良い機会になります。
掘り上げと保存の方法
掘り上げの最適なタイミングは、地上部の葉が完全に枯れて、株が休眠期に入ったときです。品種によって休眠期は異なりますが、春植え品種なら秋、秋植え品種なら初夏が目安です。
- 土をスコップなどで優しく掘り起こし、球根を傷つけないように集めます。細かい球根が多いので、目の粗いザルで土をふるうと効率的です。
- 集めた球根は、付着している土を優しく払い落とします。水洗いは球根が腐る原因になるので避けましょう。
- 土を落とした球根は、タマネギ用のネットなど通気性の良い袋に入れ、雨の当たらない風通しの良い日陰で吊るして保管します。
- 次の植え付け時期(春植えなら3〜4月、秋植えなら8〜10月)まで、そのまま保管します。
正しい冬越しの方法
オキザリスの冬越し方法は、育てている品種のタイプ(春植えか秋植えか)と、お住まいの地域の気候によって大きく異なります。品種ごとの性質を理解し、適切な方法で冬越しさせることが重要です。
品種タイプ | 特徴 | 冬越しの方法 |
---|---|---|
秋植え品種 (例:バーシカラー、桃の輝き、ボーウィー) |
秋から春にかけて生育・開花し、夏に休眠する。比較的、耐寒性が強い品種が多い。 | 暖かい地域では、地植えでも植えっぱなしで冬越し可能です。霜が心配な場合は、株元に腐葉土やワラでマルチングをすると安心です。鉢植えは、強い霜や凍結を避けられる軒下などに移動させましょう。 |
春植え品種 (例:トリアングラリス、レグネリー、デッペイ) |
春から秋にかけて生育・開花し、冬に休眠する。耐寒性が低い品種が多い。 | 鉢植えの場合:霜が降りる前に室内に取り込み、日当たりの良い窓辺などで管理します。休眠中は水やりを控えます。 地植えの場合:寒冷地では冬越しが難しいため、秋に球根を掘り上げて室内で保管するのが最も確実な方法です。 |



オキザリスはどうやって増やしますか
オキザリスは、初心者でも非常に簡単に増やすことができる植物です。主な増やし方は「分球」です。
オキザリスは、地中で親球の周りに新しい子球ができて自然に増えていきます。この子球を分けて植えるのが「分球」です。作業の適期は、球根の掘り上げと同じく、地上部が枯れた休眠期です。
分球の手順
- 休眠期に株を掘り上げ、土を優しく落とします。
- 手で簡単に分けられる球根を、一つずつ丁寧に分割します。無理に引きはがす必要はなく、自然にポロっと取れるものを分けましょう。
- 分けた球根は、すぐに植え付けない場合は掘り上げた球根と同様にネットなどに入れて、次の植え付けシーズンまで冷暗所で保管します。
- 品種ごとの植え付け適期になったら、新しい鉢や花壇に植え付けます。
この方法で、1つの株から数年でたくさんの株を増やすことができます。あまりに増えすぎて困る場合は、掘り上げた球根の中から大きくて状態の良いものだけを選んで植え、残りは処分するか、友人などに譲ると良いでしょう。
株分けで増やす方法も
品種によっては、球根が塊状になっているものもあります。その場合は、休眠期に掘り上げた株を、根を傷つけないように注意しながら手で2〜3つに分割して「株分け」することも可能です。
よくある枯れる原因と対策
オキザリスは非常に丈夫な植物ですが、それでも枯れてしまうことがあります。その原因のほとんどは、いくつかの基本的な育て方のポイントを見落としているケースです。よくある原因と対策を知っておきましょう。
最大の原因は「過湿による根腐れ」
オキザリスが枯れる最も一般的な原因は、水のやりすぎや水はけの悪い土壌による「根腐れ」です。オキザリスは乾燥気味の環境を好むため、常に土がジメジメしている状態は禁物です。根が腐ると、水分や養分を吸収できなくなり、株全体が枯れてしまいます。根腐れを起こした株は、根が黒っぽく変色し、ブヨブヨになっています。
対策:
- 水はけの良い用土(市販の草花用培養土に川砂や軽石を2割ほど混ぜるなど)を使う。
- 水のやりすぎに注意し、土の表面がしっかり乾いてから与える。
- 鉢受け皿に溜まった水は、その都度捨てる。
- 長雨が続く時期は、鉢植えを軒下などに移動させる。
その他の原因と対策
- 日照不足:オキザリスは日光が大好きです。日当たりが悪いと、茎がひょろひょろと伸び(徒長)、花が咲かなくなります。生育期は、できるだけ日当たりの良い場所で管理しましょう。
- 肥料のやりすぎ:肥料を与えすぎると、葉ばかりが茂って花が咲かなくなる「草ボケ(つるボケ)」という状態になります。肥料は基本的に控えめにし、与える場合は規定量よりも薄めにするのがコツです。
- 休眠期の管理ミス:葉が枯れて休眠期に入ったにもかかわらず、生育期と同じように水やりを続けると、球根が腐ってしまいます。休眠期は水やりを止めるか、断水するのが鉄則です。
- 凍結:耐寒性のない春植え品種を屋外で冬越しさせると、球根が凍って枯れてしまいます。品種に合った冬越し対策を行いましょう。
オキザリスの花が終わったら試すこと
オキザリスの花が終わった後、来シーズンにさらに美しく、たくさんの花を咲かせるために、ぜひ試していただきたいことがあります。それは、「球根の植え替え」と「用土のリフレッシュ」です。
植えっぱなしでも育つ手軽さはオキザリスの魅力ですが、2〜3年に一度、休眠期にひと手間かけるだけで、株の健康状態は格段に向上します。具体的には、休眠期に球根を一度掘り上げてみましょう。
掘り上げた球根の中から、傷がなく、大きくて硬く締まった健康な球根だけを選びます。そして、新しい清潔な用土を使って植え直すのです。鉢植えの場合は、一回り大きな鉢に植え替えるか、同じ鉢を使うなら根を少し整理して新しい土で植えます。地植えの場合も、一度掘り上げて腐葉土などをすき込み、土壌を改良してから選別した球根を植え直します。



花が終わった後のこのひと手間が、次のシーズンの喜びを大きく左右します。ぜひ挑戦してみてください。
まとめ:オキザリスの花後手入れと育て方の要点
- オキザリスの花が終わったら、まずは咲き終わった花がらをこまめに摘み取る
- 葉は来年の栄養を球根に蓄えるため、自然に枯れるまで絶対に切らない
- 葉が枯れて休眠期に入ったら、水やりをストップする
- 植えっぱなしでも2〜3年は育つが、花付きが悪くなるため定期的な植え替えが推奨される
- 鉢植えは根詰まりしやすいため、2年に一度の植え替えが理想
- 地植えは繁殖力が旺盛なため、増えすぎないように植える場所を計画する
- 剪定は基本的に不要だが、葉が混み合ったら風通しを良くするために切り戻しを行う
- 球根の掘り上げは必須ではないが、増えすぎ防止や良い球根の選別に有効
- 掘り上げや分球は、地上部が完全に枯れた休眠期に行う
- 冬越しの方法は品種の耐寒性によって異なり、春植え品種は室内に取り込むなど保護が必要
- 秋植え品種は比較的寒さに強く、屋外での冬越しも可能
- 増やし方は、休眠期に自然に増えた子球を分ける「分球」が最も簡単で一般的
- 枯れる最大の原因は「過湿による根腐れ」で、水のやりすぎには細心の注意を払う
- 日照不足は花が咲かない原因になるため、生育期は日当たりの良い場所で管理する
- 肥料のやりすぎは葉ばかり茂る「草ボケ」を引き起こすため、控えめが基本