お庭の雑草対策に、グランドカバーを種まくだけで手軽に始めたいと思いませんか?「広い範囲に苗を植えるのは大変そう…」と感じている方にとって、種から育てる方法は非常に魅力的です。この記事では、そもそもグランドカバーとは何か、そしてなぜ種での育成がおすすめなのかを具体的に解説します。手入れ不要で育てられると言われるけれど本当なのか、雑草より強い植物なのか、踏んでも大丈夫なのか、といった多くの人が抱く疑問にもしっかりお答えします。人気のダイカンドラや、乾燥に強いセダムなどの多肉植物、香り豊かなハーブまで、植えてよかったと思える植物を紹介し、気になる施工費用の目安にも触れていきます。また、日陰や寒冷地での育て方、冬枯れの心配、種まきにベストな時期まで網羅的に解説しますので、ぜひあなたのお庭づくりの参考にしてください。
- 種から育てるグランドカバーの基本知識
- 雑草対策に適したおすすめの植物の種類
- 日陰や寒冷地など環境別の選び方
- 後悔しないための注意点と管理方法
グランドカバーは種まくだけで可能?基本知識
- グランドカバーとは何かを解説
- 種がおすすめの理由と種まき時期のベスト
- 本当に手入れ不要?管理のポイント
- 雑草より強い植物?踏んでも大丈夫?
- 植えてよかったの声と施工費用
グランドカバーとは何かを解説

グランドカバー・イメージ
グランドカバーとは、その名の通り「地面(ground)を覆う(cover)」植物全般を指します。お庭の土が露出している部分を覆うことで、様々なメリットをもたらしてくれるのが特徴です。一般的には芝生が有名ですが、その他にも花を咲かせるもの、葉の色や形がユニークなものなど、非常に多くの種類が存在します。
グランドカバープランツを植える最大の目的は、雑草対策です。植物が地面を高密度で覆うことで、雑草の種子が土壌に届きにくくなり、日光を遮ることで雑草の生育を抑制します。これにより、大変な草むしりの手間を大幅に軽減できるのです。
グランドカバーの主なメリット
- 雑草抑制効果: 日光を遮り、雑草が生えにくい環境を作ります。
- 景観の向上: 緑や花のカーペットでお庭が美しく華やかになります。
- 土壌の保護: 雨による土の流出や、風による砂埃を防ぎます。
- 温度上昇の緩和: コンクリートの照り返しと比べ、地表の温度上昇を和らげる効果が期待できます。
コンクリートや砂利を敷く方法もありますが、植物ならではの柔らかな景観や、季節の移ろいを感じられるのがグランドカバーの大きな魅力と言えるでしょう。
種がおすすめの理由と種まき時期のベスト

グランドカバー・イメージ
グランドカバーを始める際、苗を植える方法と種をまく方法がありますが、特に広い範囲をカバーしたい場合には種から育てるのがおすすめです。その最大の理由は、コストパフォーマンスの高さと手軽さにあります。
たくさんの苗を購入して一つひとつ植え付けるのは、費用も手間もかかります。しかし、種であれば比較的安価に広範囲の植栽が可能になり、均一にまくことで自然な景観を作りやすいのです。発芽して緑の絨毯が広がっていく様子を見るのも、種から育てるならではの楽しみと言えます。
種まきに最適な時期は、植物が最も成長しやすい春と秋です。
種まきの時期 | 時期の目安 | 特徴 |
---|---|---|
春まき | 3月下旬~6月 | 気温の上昇とともに生育が活発になります。多くの植物にとって成長のゴールデンタイムであり、失敗が少ない時期です。 |
秋まき | 9月~10月 | 夏の暑さが和らぎ、雑草の勢いも弱まるため、植物がじっくりと根を張るのに適しています。寒さに強い品種はこの時期にまくと、翌春に美しい姿を見せてくれます。 |
一般的に、発芽には15℃以上の地温が必要とされることが多いです。お住まいの地域の気候に合わせて、霜の心配がなくなった頃や、厳しい暑さが過ぎた頃を見計らって種まきを行いましょう。
本当に手入れ不要?管理のポイント

グランドカバー・イメージ
「グランドカバーは手入れ不要」という言葉をよく耳にしますが、これは「日々の大変な雑草抜き作業からは解放される」という意味合いが強く、完全に放置して良いわけではありません。特に、種をまいてから植物が地面をしっかりと覆うまでの初期段階では、いくつかの重要な管理ポイントがあります。
初期管理の注意点
- 水やり: 発芽して根が定着するまでは、土が乾かないように定期的な水やりが必要です。特に夏場は乾燥に注意しましょう。
- 雑草抜き: グランドカバープランツが広がる前に生えてくる雑草は、こまめに抜いてあげる必要があります。グランドカバーが育てば、雑草は自然と減っていきます。
- 病害虫の確認: どんな植物でも病気や害虫のリスクはあります。風通しを良くするなどの対策も考えましょう。
また、植物が成長して元気になればなるほど、今度は「広がりすぎる」という問題が出てくることもあります。意図しない場所まで侵入しないように、定期的に刈り込んだり、レンガや専用のシートで「根止め」を施したりといったメンテナンスが必要になる場合があることを覚えておきましょう。

雑草より強い植物?踏んでも大丈夫?


グランドカバー・イメージ
グランドカバーを検討する上で最も気になるのが、「本当に雑草より強いのか?」そして「上を歩いても大丈夫なのか?」という点ではないでしょうか。これらは、選ぶ植物の種類によって答えが大きく変わってきます。
雑草抑制の仕組み
グランドカバープランツは、雑草の成長を物理的に妨げることで効果を発揮します。密な葉で地面を覆い尽くすことで、雑草の種子が発芽するために必要な日光を遮断します。また、地下では根を張り巡らせることで、他の植物が入り込むスペースを奪います。このため、一度しっかりと広がれば、多くの雑草に対して優位に立つことができるのです。
ただし、「雑草より強い」というよりは「雑草が生えにくい環境を作るのが得意な植物」と理解するのが正確です。繁殖力の非常に強いスギナやドクダミなどは、グランドカバーの隙間から顔を出すこともあります。
踏みつけへの耐性
人がよく歩く通路や、お子様が遊ぶスペースに植える場合は、踏みつけへの耐性(耐踏圧性)が非常に重要です。すべてのグランドカバーが踏まれても平気なわけではありません。
耐性 | 特徴 | 代表的な植物 |
---|---|---|
踏みつけに強い | 人が歩く通路や広場に向いています。踏まれることで、かえって密度が増して丈夫になる種類もあります。 | クローバー、ディコンドラ(ダイカンドラ)、西洋芝、クラピア、ヒメイワダレソウ |
踏みつけに弱い | 主に観賞用で、人があまり立ち入らない花壇の縁取りや斜面などに適しています。繊細な花や葉が傷んでしまう可能性があります。 | アリッサム、ネモフィラ、ワイヤープランツ、アジュガ、多くの花の咲く種類 |
植えたい場所の用途を明確にし、それに合った性質の植物を選ぶことが、後悔しないための重要なポイントです。
植えてよかったの声と施工費用


グランドカバー・イメージ
グランドカバーを導入した方からは、「雑草抜きのストレスから解放された」「庭の見た目が格段に良くなった」といった、「植えてよかった」という満足の声が多く聞かれます。緑が広がることで夏の照り返しが和らぐなど、景観以外のメリットを実感するケースも少なくありません。
一方で、導入にあたっては施工費用がどれくらいかかるのかも気になるところです。費用は、DIYで行うか専門業者に依頼するかで大きく変わります。
費用の目安
- DIYの場合 (種まき): 主に種代と土壌改良費がかかります。種の価格は植物の種類や量によりますが、1㎡あたり数百円から数千円程度が目安です。自分で作業するため、人件費はかかりません。
- 専門業者に依頼する場合: 植物の費用に加え、整地費用や人件費などが含まれます。植える面積や庭の状態によって大きく変動しますが、一般的に植栽一式で約10万円~20万円程度が相場とされることがあります。
種を使ったDIYは初期費用を最も安く抑えられる方法ですが、土を耕したり雑草を取り除いたりといった下準備に手間がかかります。ご自身の時間や労力、予算を考慮して最適な方法を選ぶと良いでしょう。
グランドカバーを種まくだけで作れるおすすめ植物
- 定番人気のダイカンドラの特徴
- セダムなど乾燥に強い多肉植物
- 香りも楽しめるハーブという選択肢
- 日陰・寒冷地の適応性と冬枯れ
定番人気のダイカンドラの特徴


グランドカバー・イメージ
ディコンドラ(ダイカンドラ)は、グランドカバーの中でも特に人気が高く、種からでも非常に育てやすい植物です。ハート形にも見える小さく可愛らしい丸い葉が特徴で、地面を密に覆い、美しいグリーンのカーペットを作り上げます。
人気の理由は、その見た目の美しさだけではありません。比較的、踏みつけに強く、発芽率も良いため、初心者でも失敗しにくいのが大きな魅力です。一度根付けば、ほとんど手がかからないローメンテナンスな点も支持されています。
ディコンドラには、主に2つの代表的な品種があります。
- エメラルドフォールズ: 鮮やかな緑色の葉が特徴で、日向から半日陰まで幅広い環境に適応できます。
- シルバーフォールズ: 名前の通り、銀色がかった美しい葉を持ちます。乾燥に強く、ハンギングなどで垂らすように育ててもおしゃれです。
種まきの時期は春(4月~6月)か秋(9月~10月)が最適です。水はけの良い土を好みますので、粘土質の土壌の場合は腐葉土やパーライトを混ぜてあげると元気に育ちます。



セダムなど乾燥に強い多肉植物


グランドカバー・イメージ
「できるだけ水やりの手間を省きたい」「日当たりが良すぎて土がすぐ乾いてしまう」そんなお悩みを持つ方には、セダムに代表される多肉植物のグランドカバーが最適です。
多肉植物は、葉や茎に水分を蓄える能力が非常に高いため、極度の乾燥に耐えることができます。ロックガーデンや、雨があまり当たらない軒下など、他の植物が育ちにくいような過酷な環境でも元気に育ってくれるたくましさが魅力です。
グランドカバー向きのセダムの特徴
- 地面を這うように広がる「這い性」の品種が多い。
- 葉の色が緑、黄緑、赤銅色など多彩で、組み合わせると美しい。
- ちぎれた葉や茎を土の上にまいておくだけでも根付くほど繁殖力が旺盛。
代表的な品種には「マルバマンネングサ」や「ドラゴンズブラッド」などがあります。ただし、多くのセダムは高温多湿を嫌うため、風通しの良い場所を選ぶことが大切です。また、葉が肉厚なため、強い踏みつけにはあまり向いていない点には注意が必要です。観賞用のエリアに、手間いらずの彩りとして取り入れるのがおすすめです。
香りも楽しめるハーブという選択肢


グランドカバー・イメージ
お庭に彩りだけでなく「香り」もプラスしたいなら、ハーブをグランドカバーにするという選択肢はいかがでしょうか。見た目の美しさに加え、そばを歩いたり、手で触れたりするたびに心地よい香りが広がり、五感で楽しめるお庭になります。
グランドカバーとして人気のハーブには、以下のようなものがあります。
- クリーピングタイム: 非常に丈夫で、春にはピンクや白の小さな花を絨毯のように咲かせます。踏むと爽やかな香りが立ち上り、料理にも利用できます。
- ローマンカモミール: リンゴのような甘い香りが特徴です。花はハーブティーとして楽しめます。踏みつけにも比較的強く、芝生の代わりとして植えられることもあります。
- ペニーロイヤルミント: ミント特有の清涼感のある香りを持ち、アリなどの虫除け効果も期待されることがあります。ただし、ミント類は地下茎で非常に強く繁殖するため、広がりすぎないよう管理が重要です。
ハーブ類は、日当たりと風通しの良い場所を好む種類が多いです。育てて収穫し、料理やティー、ポプリなどで活用できるのも、ハーブならではの大きな楽しみと言えるでしょう。



日陰・寒冷地の適応性と冬枯れ


グランドカバー・イメージ
グランドカバー選びで失敗しないためには、「植えたい場所の環境」を正しく把握することが不可欠です。特に、日当たりや気候(寒さ)は、植物が元気に育つかどうかを左右する重要な要素です。
日陰に強いグランドカバー
「家の北側であまり日が当たらない」「大きな木の根元を飾りたい」といった日照条件の悪い場所でも育つ、耐陰性の強い植物もあります。そういった場所には、以下のような種類がおすすめです。
- アジュガ: 春に紫やピンクの美しい花穂を立ち上げます。葉の色も豊富で、日陰の庭を明るく彩ります。
- グレコマ: 斑入りの丸い葉が可愛らしく、つるを伸ばしてどんどん広がります。非常に丈夫で育てやすいです。
- ツルニチニチソウ: 常緑で冬でも緑を保ちます。初夏に咲く青紫色の花も魅力的です。
寒冷地と冬枯れの注意点
冬の寒さが厳しい寒冷地や、霜が降りる地域では、植物の耐寒性と冬枯れするかどうかを確認する必要があります。
冬の状態による植物の分類
- 常緑性: 寒さに強く、冬でも葉をつけたまま越冬します。一年中緑の景観を保ちたい場合におすすめです。(例: クローバー、シバザクラ、西洋芝)
- 宿根性 (冬枯れ): 冬になると地上部の葉や茎は枯れてしまいますが、根は生きていて春になると再び芽吹きます。(例: ローマンカモミール、ヒメイワダレソウ)
- 一年草: 種をまいたその年に花を咲かせ、冬には完全に枯れてしまいます。しかし、こぼれ種で翌年も自然に生えてくる種類も多いです。(例: ネモフィラ、アリッサム)
一年中景観を維持したいのか、それとも季節の変化を楽しみたいのか、ご自身の希望に合わせて植物の性質を選ぶことが大切です。
グランドカバーを種まくだけで楽しもう
- グランドカバーは地面を覆い雑草対策になる植物
- 種からの育成は広範囲を低コストで実現できる
- 種まきのベストシーズンは春か秋
- 完全に手入れ不要ではなく初期管理が重要
- 踏みつけの強さは植物の種類によって異なる
- 人気のダイカンドラは初心者にもおすすめ
- 乾燥地にはセダムなどの多肉植物が向いている
- タイムやカモミールなど香りを楽しめるハーブもある
- 日陰にはアジュガやグレコマが適している
- 寒冷地では西洋芝やクローバーが育てやすい
- 冬枯れしない常緑性の植物を選ぶと一年中緑を楽しめる
- 繁殖力が強すぎる植物は管理が大変になることも
- 植える場所の環境(日照・気候)を確認することが成功の鍵
- 費用は種代だけでなく土壌改良費も考慮する
- この記事を参考に素敵なお庭づくりを始めてみよう