ビバーナムティヌスで後悔?臭いや毒性、剪定のコツ

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ビバーナムティヌスは、その美しい白い花とメタリックブルーの実で、一年を通して庭を彩ってくれる魅力的な常緑低木です。しかし、その一方で、花の臭いや実が持つ毒性、予期せぬ害虫の発生、思った以上に大きくなる樹高の問題など、植えてから後悔するケースも少なくありません。特に、地植えや鉢植えでの育て方、花が咲かなくなる原因となりがちな剪定の失敗は、多くの人が悩むポイントです。この記事では、ビバーナムティヌスを心から楽しむために、後悔しがちなポイントとその対策を詳しく解説していきます。

  • ビバーナムティヌスで後悔する具体的な原因
  • 花が咲かない、臭いが気になるなどの悩みの解決策
  • 発生しやすい害虫の種類と効果的な対策
  • 正しい剪定時期と美しい樹形を保つコツ
目次

ビバーナムティヌスで後悔する主な原因

  • 花が咲かないのは剪定が原因かも
  • 意外と気になる花の臭い
  • 知っておきたい実や葉の毒性
  • 発生しやすい害虫の種類と対策
  • 成長後の樹高と設置スペース
  • 地植えで育てる場合の注意点

花が咲かないのは剪定が原因かも

ビバーナムティヌスを育てていて最もがっかりする瞬の一つが、楽しみにしていた花が咲かないことです。その最大の原因は、剪定の時期を間違えている可能性が非常に高いと言えます。

なぜなら、ビバーナムティヌスは、夏から秋にかけて翌年咲く花芽を枝に形成するからです。そのため、夏以降に剪定をしてしまうと、せっかくできた花芽を枝ごと切り落としてしまうことになり、翌春に花が咲かなくなってしまいます。

他にも、日照不足や肥料不足が原因で株の元気がなく、花を咲かせる体力が残っていない場合も考えられます。特に植え付けてから1〜2年は、根を張ることにエネルギーを集中させるため、花数が少なくなる傾向があります。もし剪定時期に問題がないのに花が咲かない場合は、日当たりや施肥の状況を見直してみましょう。

花が咲かない主な原因

  • 夏以降の間違った時期の剪定
  • 日照不足で株の生育が悪い
  • 肥料が不足し、花芽を作る栄養がない
  • 植え付け直後で株がまだ成熟していない

意外と気になる花の臭い

ビバーナムティヌスの花は、見た目は非常に可憐で美しいのですが、その香りについては好みが分かれることがあります。一部では、この香りを「臭い」と感じる人もいるようです。

花の香りは特に開花期である冬の終わりから春にかけて強くなります。感じ方には個人差があるため一概には言えませんが、人によっては少し青臭い、あるいは独特の香りに感じられることがあります。そのため、玄関先やリビングの窓辺など、人の出入りが多い場所や香りが室内に入り込みやすい場所に植える際は、一度園芸店などで実際の香りを確認してみることをお勧めします。

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もし香りが気になる場合は、風通しの良い場所に植えて香りがこもらないようにしたり、ローズマリーやラベンダーといった他の香りの良い植物と組み合わせて植栽したりするのも一つの方法ですよ。

知っておきたい実や葉の毒性

ビバーナムティヌスの魅力の一つである、光沢のある美しい青い実。しかし、この実や葉には、毒性があるという情報があるため、取り扱いには注意が必要です。

複数の園芸情報サイトによると、ビバーナムティヌスの実や葉を誤って口にしてしまうと、吐き気や腹痛、下痢などの中毒症状を引き起こす可能性があるとされています。特に、小さなお子様やペットがいるご家庭では、誤食の危険性が高まるため、植える場所には細心の注意を払う必要があります。

毒性に関する注意点

お子様やペットが、興味本位で美しい実を口にしてしまう危険性があります。手の届かない場所に植える、庭で遊ばせる際は目を離さない、または安全性が確保できるまでは植栽を控えるなどの対策を検討してください。また、剪定などの手入れをする際は、念のため手袋を着用するとより安心です。

発生しやすい害虫の種類と対策

ビバーナムティヌスは比較的病害虫に強い植物ですが、それでも害虫が全くつかないわけではありません。特に注意したい害虫とその対策を知っておくことで、被害を最小限に抑えることができます。

カイガラムシ

風通しの悪い、密集した枝葉に発生しやすい害虫です。植物の汁を吸って生育を阻害するだけでなく、排泄物が原因で「すす病」を誘発することもあります。見つけ次第、歯ブラシなどでこすり落とすか、カイガラムシに有効な殺虫剤で駆除しましょう。

アブラムシ・ハダニ

新芽や若葉に発生しやすい害虫です。これらも植物の汁を吸って弱らせます。数が少ないうちはテープなどで取り除くことも可能ですが、大量に発生した場合は専用の殺虫剤が必要です。ハダニは乾燥した環境を好むため、定期的に葉の裏に水をかける「葉水」も予防に繋がります。

これらの害虫対策の基本は、日当たりと風通しを良くすることです。後述する適切な剪定を行い、枝葉が密集しすぎないように管理することが、最も効果的な予防策となります。

成長後の樹高と設置スペース

ビバーナムティヌスは「低木」に分類されますが、思った以上に大きく成長することがあります。最終的な樹高は2〜3メートル、横幅も同様に広がる可能性があるため、植え付けの段階で十分なスペースを確保しておくことが後悔しないための重要なポイントです。

成長速度自体は比較的ゆっくりですが、「小さいから大丈夫だろう」と建物のすぐそばや狭い場所に植えてしまうと、数年後には壁に当たったり、隣の敷地にはみ出してしまったりと、トラブルの原因になりかねません。

また、葉が密に茂る性質があるため、大きく育つと庭全体に圧迫感を与えたり、日当たりを遮って他の植物の生育を妨げたりすることもあります。シンボルツリーとして植える場合でも、生垣として利用する場合でも、将来の大きさをしっかりとイメージして、余裕を持った植え付け計画を立てましょう。

地植えで育てる場合の注意点

ビバーナムティヌスを地植えで育てる際には、いくつか注意すべき点があります。基本的には丈夫で育てやすい植物ですが、環境が合わないと思うように育たなかったり、管理が大変になったりすることがあります。

土壌の確認

ビバーナムティヌスは、極端な粘土質や砂地でなければ、比較的どんな土壌でも育ちます。しかし、最も好むのは水はけが良く、適度に湿り気のある土壌です。水はけが悪すぎると根腐れの原因になり、逆に乾燥しすぎると水やりの手間が増えてしまいます。植え付け前には、腐葉土や堆肥を混ぜ込んで土壌を改良しておくと、その後の生育がスムーズになります。

また、前述の通り、成長後のサイズを考慮した植え付け場所の選定は非常に重要です。日当たりが良く、風通しの良い場所を選んであげると、病害虫のリスクも減り、花付きも良くなります。半日陰でも育ちますが、花や実の付き方は日向に劣る場合があります。

後悔しないためのビバーナムティヌス管理法

  • 鉢植えでコンパクトに管理するコツ
  • 美しい花を咲かせる日当たり
  • 健康な株を維持する水やりと肥料
  • 花芽を落とさない剪定の時期
  • ビバーナムティヌスで後悔しないための要点

鉢植えでコンパクトに管理するコツ

「地植えするほどのスペースはないけれど、ビバーナムティヌスを育ててみたい」という方には、鉢植えでの管理がおすすめです。鉢植えであれば、成長をある程度コントロールでき、樹高や広がりをコンパクトに保つことができます。

鉢植えで育てる際のコツは、大きめの鉢を選ぶことです。根が窮屈になると生育が悪くなるため、最低でも直径40cm以上の鉢を用意すると良いでしょう。用土は、市販の草花用培養土に赤玉土を少し混ぜるなどして、水はけの良いものを使用します。

ただし、鉢植えは地植えに比べて土が乾燥しやすいため、水やりの頻度は高くなります。特に夏場は水切れに注意が必要です。また、2〜3年に一度は、根詰まりを防ぐために一回り大きな鉢への植え替え作業が必要になります。

美しい花を咲かせる日当たり

ビバーナムティヌスの花付きを良くするためには、日当たりの良い場所で管理することが最も重要です。この植物は日陰にも耐えることができますが、日光が不足すると花芽の数が減ってしまったり、最悪の場合、全く花が咲かなくなってしまったりします。

理想的なのは、1日に少なくとも半日以上は直射日光が当たる場所です。特に午前中の光が当たる東向きや、一日を通して明るい南向きの庭が最適です。日当たりが良いと、花付きが良くなるだけでなく、葉の色つやも良くなり、株全体が健康的に育ちます。

もし、お庭の日当たりがあまり良くない場合は、できるだけ明るい場所を選んで植えるようにしましょう。日照時間が短い場所では、花数を増やすことよりも、健康な葉を維持することを目標に管理してあげると良いかもしれません。

健康な株を維持する水やりと肥料

ビバーナムティヌスを健康に育てるためには、適切な水やりと肥料が欠かせません。

水やり

地植えの場合、根付いてしまえば基本的に降雨に任せて問題ありませんが、夏場に乾燥が続くようならたっぷりと水を与えます。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。過湿は根腐れの原因になるため、常に土が湿っている状態は避けましょう。

肥料

肥料は、植物の成長を助け、花付きを良くするために重要です。地植えの場合は、冬の2月頃に「寒肥(かんごえ)」として、油かすや鶏ふんなどの有機質肥料や緩効性化成肥料を株元に施します。鉢植えの場合は、春と秋の生育期に緩効性化成肥料を与えるか、液体肥料を定期的に与えると良いでしょう。また、花が終わった後にお礼肥を与えるのも、翌年の花付きを良くするために効果的です。

施肥のポイント

肥料の与えすぎは、かえって株を弱らせる原因にもなります。製品に記載されている規定量を守り、適切な時期に施肥することが大切です。

花芽を落とさない剪定の時期

ビバーナムティヌスを育てる上で最も重要な作業と言っても過言ではないのが「剪定」です。そして、後悔しないために絶対に守るべきなのが、その剪定時期です。

結論から言うと、最適な剪定時期は花が咲き終わった直後、おおむね5月下旬から6月頃です。この時期であれば、翌年の花芽がまだ作られていないため、安心して剪定することができます。

剪定の目的は、大きくなりすぎた樹形を整えたり、風通しを良くして病害虫を防いだりすることです。基本的には、混み合っている枝や、内側に向かって伸びている枝、枯れた枝などを根元から切り落とす「透かし剪定」を行います。これにより、株の内側まで日光が届くようになり、健康な状態を保つことができます。

絶対に避けるべき剪定時期

夏以降、特に秋から冬にかけての剪定は絶対に避けてください。この時期には翌春に咲くための大切な花芽が枝に準備されています。ここで剪定すると、花芽ごと切り落としてしまい、春に花が咲かないという最も残念な結果に繋がります。

ビバーナムティヌスで後悔しないための要点

  • 花が咲かない主な原因は夏以降の剪定
  • 剪定の最適期は花が終わった直後の5月〜6月
  • 花の臭いは好みが分かれるため植える場所に注意
  • 実や葉には毒性があるとされ子供やペットの誤食に注意が必要
  • 害虫対策の基本は日当たりと風通しの良い環境を保つこと
  • カイガラムシやアブラムシが発生したら早めに対処する
  • 成長すると樹高2〜3mになるため十分なスペースを確保する
  • 地植えは水はけの良い土壌を好む
  • 鉢植えならコンパクトに管理できるが水やりと植え替えが必要
  • 美しい花を楽しむには半日以上の日当たりが理想
  • 地植えの水やりは乾燥が続く夏場以外は基本的に不要
  • 鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える
  • 肥料は冬の寒肥と花後のお礼肥が効果的
  • 丈夫で育てやすいがポイントを押さえないと後悔に繋がる
  • 植える前にメリットとデメリットをしっかり理解することが大切
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この記事を書いた人

植物を愛するガーデニングブロガー。
植物と暮らす楽しさを、みんなにわかりやすくお届けします。

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