お庭の緑化を考えたとき、可愛らしい葉と花を持つクローバーが候補に挙がることは多いでしょう。しかし、インターネットで検索すると「クローバー 庭に植えてはいけない」という気になる言葉を目にします。芝生代わりに手軽に緑を増やせるという魅力がある一方で、庭に生えるとやばいと言われるほどの繁殖力に悩まされるケースも少なくありません。一度植えた庭のクローバーを除去するのは本当に大変なのでしょうか。また、クローバーは雑草対策に使えますかという疑問や、種まきはいつすればいいのか、宿根草ですか、寿命はどのくらいで冬に枯れますかといった基本的な育て方に関する質問も多く寄せられます。この記事では、クローバーを植える場所の選び方から、その強力な生命力と上手に付き合うための具体的な方法まで、詳しく解説していきます。
- 「クローバーを庭に植えてはいけない」と言われる具体的な理由
- クローバーの驚異的な繁殖力の正体と除去の難しさ
- グランドカバーや雑草対策として活用する際のメリットとデメリット
- クローバーの基本的な性質と、種まきから管理までの育て方のコツ
「クローバーを庭に植えてはいけない」と言われる理由
- 庭に生えるとやばいと言われる繁殖力
- 庭のクローバー除去が困難になることも
- クローバーは雑草対策に使えますか?
- 芝生代わりに利用する際の注意点
- クローバーを植える場所の選び方
庭に生えるとやばいと言われる繁殖力
クローバーを庭に植えてはいけないと言われる最大の理由は、その驚異的な繁殖力にあります。可愛らしい見た目からは想像もつかないほど強靭な生命力を持っており、一度根付くとあっという間に庭全体に広がってしまう可能性があります。
この繁殖力の秘密は、主に2つの方法にあります。
一つは、「ランナー」と呼ばれる地面を這うように伸びる茎です。このランナーは節々から根を出し、次々と新しい株を作って増殖していきます。ランナーは50cm以上に達することもあり、地中を縦横無尽に這い回るため、どこまで広がっているのか把握するのが難しい場合も少なくありません。
そしてもう一つが、「種子」による繁殖です。春から初夏にかけて咲く花が終わると、たくさんの種ができます。この種が風や雨、動物などによって運ばれ、思いもよらない場所から芽を出すことがあります。このランナーと種子の両方で増える戦略が、クローバーの爆発的な繁殖力を支えているのです。
繁殖力が強すぎるゆえのデメリット
- 他の植物の生育エリアを侵食してしまう
- 意図しない場所(花壇や通路など)にも広がってしまう
- 一度広がると管理が非常に大変になる
このように、他の植物のテリトリーを奪いながら勢力を拡大していくため、「庭に生えるとやばい」と言われるのです。
庭のクローバー除去が困難になることも
クローバーの強力な繁殖力は、除去作業を非常に困難にします。もしクローバーが増えすぎたと感じて取り除こうとしても、完全な除去は極めて難しいと言わざるを得ません。
その理由は、前述の「ランナー」にあります。地上部分を刈り取ったり、手で引き抜いたりしても、地中に少しでもランナーや根が残っていると、そこからいとも簡単に再生してしまうのです。そのため、表面上は綺麗になったように見えても、数週間後には再び緑の葉を広げている、ということが頻繁に起こります。

手作業でランナーを全て掘り起こすのは、広範囲になればなるほど現実的ではありません。また、除草剤を使用する方法もありますが、芝生など他の植物と共存させている場合は、クローバーだけに効くタイプの除草剤(MCPPなど)を選ぶ必要があり、注意が求められます。
除去が困難な理由
- 地中に残ったランナーや根から簡単に再生する
- 種子が土壌に残っていると、後から発芽することがある
- 手作業での完全な除去には、膨大な時間と労力がかかる
このように、一度庭に定着させてしまうと、その後のコントロールや完全な撤去が非常に難しくなる点が、「植えてはいけない」と言われる大きな理由の一つです。
クローバーは雑草対策に使えますか?
「クローバーの繁殖力が強いなら、それを逆手にとって雑草対策になるのでは?」と考える方も多いでしょう。実際に、地面を密に覆うクローバーは、他の雑草が生えるのを抑制する効果が期待できます。これはグランドカバープランツとしての大きなメリットです。
クローバーが地面を覆うことで、雑草の種子が地面に届きにくくなったり、日光が遮られて発芽しにくくなったりします。そのため、面倒な草むしりの手間を減らすことができるのは事実です。
雑草対策としてのメリット
- 地面を覆い、他の雑草の発生を物理的に防ぐ
- 草むしりの手間を軽減できる
- 緑のカーペットが景観を向上させる
しかし、ここで考えなければならないのは、「クローバー自体が、管理できなくなった雑草のようになってしまう」というリスクです。繁殖力が旺盛すぎるため、雑草は抑えられても、今度はクローバー自身の成長をコントロールする必要が出てきます。伸びすぎた部分を刈り込んだり、他の植物のエリアに侵入しないように監視したりと、結局は何らかの管理作業が発生します。
結論として、クローバーは雑草対策に使うことはできますが、「何もしなくてもよい」というわけではなく、クローバー自身の管理という新たな手間が発生することを理解しておく必要があります。他の雑草とクローバー、どちらを管理する方が自分にとって楽かを天秤にかける必要があるでしょう。
芝生代わりに利用する際の注意点
クローバーを芝生の代わりにグランドカバーとして利用するアイデアは、管理が楽そうに思えるため人気があります。しかし、実際に試してみると、イメージとは異なる点がいくつか見えてきます。
思った以上に背丈が高くなる
多くの方がイメージする公園のクローバーは、頻繁に人に踏まれることで背丈が低く抑えられています。しかし、家庭の庭で種から育てると、予想以上に背丈が高く(20cm以上)なることがあります。特に密集して生えると、もっさりと茂りすぎてしまい、グランドカバーとしては高すぎる状態になりがちです。これでは上を歩くのもためらわれ、芝生のような使い方は難しくなります。
夏場に弱り、景観が損なわれることも
クローバーは高温多湿が苦手です。近年の日本の厳しい夏では、暑さで弱ってしまい、葉が枯れたり、部分的にハゲてしまったりすることがあります。そうなると、一年中美しい緑を保つというわけにはいかず、夏から秋にかけて景観が悪化する可能性があります。また、咲き終わった花が茶色く枯れて残るのも、見た目を損なう一因です。
虫の隠れ家になりやすい
背丈が高く密集して茂るクローバーの株元は、日当たりも風通しも悪くなりがちです。このような環境は、ナメクジやダンゴムシなど、さまざまな虫にとって絶好の隠れ家となります。特定の害虫がつきやすいわけではありませんが、虫が苦手な方にとってはデメリットとなるでしょう。
芝生代わりの注意点まとめ
- 踏まれない場所では背丈が高く茂りすぎる傾向がある
- 夏の暑さで枯れたり弱ったりして、見た目が悪くなることがある
- 密集した株元は虫の住処になりやすい
これらの点から、芝生のように気軽に歩き回るスペースのグランドカバーとして利用するには、いくつかの課題があることを理解しておく必要があります。
クローバーを植える場所の選び方
これまで述べてきたように、クローバーには強力な繁殖力という、管理を難しくさせる大きな特徴があります。しかし、その特性を理解し、植える場所を適切に選ぶことで、デメリットを最小限に抑え、その魅力を楽しむことも可能です。
最も重要なのは、「繁殖しても問題ない、管理できる範囲」に植えることです。
クローバーを植えるのにおすすめの場所
- 鉢植えやプランター: 最も安全で管理しやすい方法です。繁殖する範囲が物理的に限定されるため、庭全体に広がる心配がありません。寄せ植えのアクセントとしても優秀です。
- レンガやブロックで囲われた花壇: 地中でランナーが広がらないよう、物理的な仕切りがある場所に植えるのも一つの手です。ただし、種がこぼれて仕切りの外で発芽する可能性は残ります。
- 広大な敷地: 個人宅の庭というよりは、多少広がっても問題にならないような広い場所であれば、グランドカバーとして活用できる可能性はあります。
逆に、以下のような場所は避けるべきです。
クローバーを植えるのを避けるべき場所
- 大切な植物が植えられている花壇のすぐ隣
- 芝生など、他のグランドカバーと混在させたくない場所
- 境界が曖昧で、隣家の敷地に侵入する恐れのある場所



クローバーを植える際は、その後の管理まで見据えて、慎重に場所を選ぶことが失敗しないための鍵となります。
クローバーを庭に植えてはいけないか判断するための知識
- クローバーの種まきの時期と方法
- クローバーは宿根草ですか?
- クローバーの寿命はどのくらい?
- クローバーは冬に枯れますか?
- まとめ:クローバーを庭に植えてはいけないと言われる背景
クローバーの種まきの時期と方法
クローバーを育てる場合、種まきは比較的簡単です。適切な時期と方法で行えば、高い確率で発芽させることができます。
適切な種まき時期
クローバーの種まきに適した時期は、年に2回あります。
- 春まき: 3月~6月
- 秋まき: 9月~11月
これらの時期は気候が穏やかで、発芽と初期生育に適しています。特に春にまくと、夏までにしっかりと根を張り、丈夫な株に育ちやすいためおすすめです。逆に、真夏や真冬は、発芽率が落ちたり、うまく育たなかったりするため避けた方が良いでしょう。
種まきの方法
クローバーの種まきは、以下の手順で行うのが一般的です。
ステップ | 作業内容 | ポイント |
---|---|---|
1. 土壌の準備 | 種をまく場所の雑草や石などを取り除き、土を軽く耕してならします。 | 水はけが悪い場合は、腐葉土などを混ぜて土壌改良しておくと良いでしょう。 |
2. 種まき | 種が細かいので、砂や細かい土と混ぜてからまくと、均一にまきやすくなります。 | 種のまきすぎは、密集して徒長する原因になります。パッケージの指示量を参考に、やや少なめを意識すると失敗が少ないです。 |
3. 土をかぶせる | 種が隠れる程度に薄く土をかぶせます(覆土)。 | 厚くかぶせすぎると発芽しにくくなるので注意してください。 |
4. 鎮圧 | 手や板などで軽く土を押さえて、種と土を密着させます。 | これにより、種が乾燥したり流されたりするのを防ぎます。 |
5. 水やり | 発芽するまでは、土の表面が乾かないように霧吹きや目の細かいジョウロで優しく水やりをします。 | 勢いよく水をやると種が流れてしまうので注意が必要です。 |
これらの手順を守れば、1~2週間ほどで可愛らしい双葉が出てくるはずです。
クローバーは宿根草ですか?
はい、一般的に「クローバー」として知られるシロツメクサは、多年草(宿根草)に分類されます。
多年草(宿根草)とは、一度植えると冬になっても根が完全に枯れることなく生き続け、毎年同じ株から花を咲かせる植物のことを指します。地上部(葉や茎)は冬の寒さで枯れてしまうことがありますが、根は休眠状態で冬を越し、春になると再び芽吹いて成長を再開します。
多年草(宿根草)であることの特徴
- 一度植えれば、毎年花を楽しむことができる
- 毎年種をまき直す必要がない
- 年々株が大きく成長し、繁殖していく
この「毎年生き続ける」という性質が、クローバーの繁殖力をさらに高める要因にもなっています。一年草のように一年で枯れてしまうことがないため、放置しておくと年々勢力を増し、庭での存在感が大きくなっていきます。
クローバーが宿根草であるという点を理解しておくことは、その管理計画を立てる上で非常に重要です。一度植えたら長く付き合っていくことになる、という覚悟が必要になります。
クローバーの寿命はどのくらい?
クローバーは前述の通り多年草であるため、特定の「寿命」というものはありません。生育環境が適切であれば、理論上は何年も生き続けることができます。
毎年、ランナーを伸ばして新しい株を増やし、古い部分は自然と枯れていくというサイクルを繰り返しながら、個体としては生き永らえていきます。そのため、「この株は3年で寿命を迎える」といった明確な区切りはないのです。
しかし、これはあくまで「生育環境が合えば」の話です。実際には、多くのクローバーが寿命を迎える前に枯れてしまう原因があります。
クローバーが枯れる主な原因
- 夏の高温多湿: 日本の夏の厳しい暑さと湿気はクローバーにとって大きなストレスです。この時期に蒸れてしまったり、病気になったりして枯れてしまうケースが非常に多いです。
- 日照不足: 日当たりの悪い場所では光合成が十分にできず、弱って枯れてしまうことがあります。
- 過湿・乾燥: 水はけが悪く常に土が湿っている状態や、逆に極端に乾燥する場所も生育には適していません。



結論として、クローバーに明確な寿命はありませんが、日本の一般的な庭の環境では、夏の暑さによって数年で勢いが衰えたり、部分的に枯れたりすることが多い、と理解しておくと良いでしょう。
クローバーは冬に枯れますか?
クローバーは寒さに比較的強い植物で、多くの地域で冬でも完全に枯れることなく越冬します。
温暖な地域や雪の少ない地域では、冬の間も緑の葉を保ったままの常緑状態でいることが多いです。成長は非常にゆっくりになりますが、地面が緑に覆われた状態を維持してくれます。
一方で、寒さが厳しい地域や霜が強く降りる場所では、地上部(葉や茎)が茶色く枯れたようになることがあります。しかし、これは完全に枯死してしまったわけではありません。根は地中で生きており、休眠状態に入っているだけです。そして、春になり暖かくなると、再び新しい芽を出し、元気に成長を始めます。
クローバーの冬越しの特徴
- 耐寒性があり、冬でも根は生きている多年草(宿根草)です。
- 暖かい地域では、常緑のまま冬を越すことが多いです。
- 寒い地域では、地上部は枯れることがあるが、春には再生します。
この性質のため、「冬になったら自然にリセットされる」ということはありません。むしろ、冬を越すことで翌春にはさらに勢いを増して繁殖範囲を広げる可能性があります。
冬の間に地上部が枯れて見た目が寂しくなる可能性はありますが、植物自体が死んでしまう心配は少ないと考えてよいでしょう。この冬を越す力も、クローバーの生命力の強さの一端を担っています。
まとめ:クローバーを庭に植えてはいけないと言われる背景
この記事では、「クローバーを庭に植えてはいけない」と言われる理由から、その特性を理解した上での上手な付き合い方までを解説しました。最後に、記事の要点をまとめます。
- クローバーが「植えてはいけない」と言われる最大の理由は、その驚異的な繁殖力にある
- ランナー(匍匐茎)と種子の両方で増えるため、一度根付くとあっという間に広がる
- 地中に少しでも根やランナーが残っていると簡単に再生するため、完全な除去は非常に困難
- 除去作業には膨大な時間と労力がかかり、数年がかりの戦いになることもある
- 地面を覆うことで他の雑草の発生を抑制する効果は期待できる
- しかし、雑草の代わりにクローバー自身の管理という新たな手間が発生する
- 芝生代わりに利用する場合、踏まれない場所では背丈が20cm以上に茂りすぎることがある
- 日本の夏の高温多湿に弱く、夏場に枯れたり弱ったりして景観が損なわれる可能性がある
- 密集した株元は虫の隠れ家になりやすいというデメリットもある
- 安全に楽しむなら、繁殖範囲を物理的に限定できる鉢植えやプランターが最もおすすめ
- クローバーは多年草(宿根草)であり、一度植えると毎年同じ株から成長する
- 明確な寿命はないが、日本の夏の暑さで枯れることは多い
- 寒さには強く、多くの地域で冬でも緑を保ったまま越冬する
- 種まきの適期は春(3~6月)と秋(9~11月)
- 植える際は、その後の管理まで見据え、広がりすぎても問題ない場所に限定することが重要