月桂樹を庭に植えてはいけないという話を聞いて、おしゃれなシンボルツリーとして検討していたけれど不安に感じていませんか?確かに、月桂樹は虫がつきやすいという懸念や、成長後の大きさを考えた上手な育て方が必要になります。また、月桂樹は庭木として風水的に良いですかという疑問や、最適な植える場所はどこがいいかなど、購入前に知っておきたい点は多いでしょう。この記事では、元気な苗の選び方から、鉢植えでの管理、挿し木での増やし方、さらには毒性のある類似植物との見分け方まで、月桂樹を庭で楽しむためのポイントを詳しく解説します。
- 月桂樹を庭に植える際の具体的なデメリット
- 虫や病気を防ぐための正しい育て方と剪定のコツ
- 鉢植えでコンパクトに管理する方法や挿し木での増やし方
- 風水的な観点や植えるのに適した場所の選び方
月桂樹を庭に植えてはいけないと言われる理由
- 月桂樹は虫がつきやすい?その対策とは
- 月桂樹を植える場所はどこがいいか解説
- シンボルツリーとしての成長管理の難しさ
- 月桂樹は庭木として風水的に良いですか?
- 毒性のある類似植物との見分け方
月桂樹は虫がつきやすい?その対策とは
月桂樹は香りが良いことから「虫がつかない木」というイメージを持たれることがありますが、実際には特定の害虫が発生しやすいという側面を持っています。特に注意が必要なのが、カイガラムシやアブラムシです。
これらの害虫は植物の汁を吸って生育を妨げるだけでなく、その排泄物が原因で「すす病」という病気を引き起こします。すす病にかかると、葉や枝が黒いすすで覆われたようになり、光合成が妨げられて木全体が弱ってしまいます。
対策の基本は、風通しを良くすることです。月桂樹は葉が密集しやすいため、定期的な剪定で不要な枝を間引き、空気の流れを確保することが最も効果的な予防策となります。
害虫対策のポイント
- 定期的な剪定: 枝が密集している場所をなくし、風通しを良くして湿気がこもらないようにします。
- 早期発見・早期駆除: 葉の裏や枝をこまめにチェックし、カイガラムシなどを見つけたら歯ブラシでこすり落とすか、被害が広がっている場合は薬剤を使用します。
- 健康な状態を保つ: 適切な水やりと肥料で木を元気に育て、病害虫への抵抗力を高めます。

月桂樹を植える場所はどこがいいか解説
月桂樹を庭に植える際、場所選びは将来の管理の手間を大きく左右する重要な要素です。成長後の大きさと根の張り方を考慮しないと、後悔の原因になりかねません。
日当たりと土壌
月桂樹は地中海沿岸が原産のため、日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。一日中日が当たる場所が理想ですが、半日陰でも十分に育ちます。ただし、日照不足になると葉の色が悪くなったり、花が咲きにくくなったりするので注意が必要です。
土質は特に選びませんが、水はけが悪い粘土質の土壌では根腐れを起こしやすいため、腐葉土や砂を混ぜて土壌改良をすると良いでしょう。
スペースと周囲の環境
最も注意すべきなのは、成長するための十分なスペースを確保することです。月桂樹の根は、地中深くに伸びるというよりは、浅く横に広がる性質があります。このため、以下のような場所は避けるべきです。
月桂樹を植えるのを避けるべき場所
- 建物の基礎やコンクリートブロックのすぐそば: 強い根が構造物を持ち上げ、ひび割れなどの原因になる可能性があります。
- 水道管やガス管が埋まっている場所: 根が管を圧迫・破損させるリスクがあります。
- 他の植物が密集している場所: 他の植物の栄養や水分を奪い、成長を妨げることがあります。
最低でも建物や他の樹木から2〜3メートルは離して植えることをおすすめします。
シンボルツリーとしての成長管理の難しさ
月桂樹が「庭に植えてはいけない」と言われる最大の理由は、その旺盛な成長力にあります。シンボルツリーとして植えたつもりが、数年で手に負えない大きさになってしまうケースが少なくありません。
地植えにした月桂樹は、環境が良ければ1年で50cm以上伸びることもあり、放置すれば樹高10メートルを超える大木になる可能性も秘めています。こうなると、個人での剪定は非常に困難で危険も伴い、専門業者に依頼する必要が出てきます。
この成長をコントロールするためには、年に1〜2回の定期的な剪定が不可欠です。剪定を怠ると、以下のような問題が発生します。
- 庭の日当たりが悪くなる。
- 枝葉が密集して病害虫の温床になる。
- 枝が隣家にはみ出し、越境トラブルの原因になる。
- 大きくなりすぎて、台風などで倒れるリスクが高まる。



月桂樹は庭木として風水的に良いですか?
月桂樹は、風水の観点から見ると非常に縁起の良い木とされています。古代ギリシャ・ローマで「勝利」や「栄光」の象徴とされてきた歴史から、ポジティブなエネルギーを持つ「陽木」に分類されます。
主な風水効果としては、以下のようなものが挙げられます。
- 成功運・仕事運アップ: 「勝利」の象徴から、目標達成や出世を後押ししてくれると言われます。
- 魔除け・厄除け: 神聖な木とされることから、邪気を払い、良い運気を呼び込むとされています。
風水効果を最大限に高めるためには、植える方角も重要です。特に「南東」の方角は「繁栄」や「富」を司る場所とされ、月桂樹を植えるのに最適と言われています。
風水的な注意点
いくら縁起の良い木でも、手入れを怠って荒れた状態にしてしまうと、逆に運気を下げてしまう「凶相」に転じると言われています。葉が枯れていたり、病害虫で弱っていたりすると、良いエネルギーの流れが滞ってしまいます。風水的にも、定期的な剪定と手入れで、常に健康で美しい状態を保つことが何よりも重要です。
毒性のある類似植物との見分け方
月桂樹そのものには、食用に適さない程度の微弱な毒性成分が含まれるという情報もありますが、基本的には安全な植物です。しかし、葉の形が似ている有毒植物と間違えてしまう危険性があるため、注意が必要です。特に、庭木としてよく利用される植物の中には、誤って口にすると大変危険なものがあります。
代表的な類似植物として「キョウチクトウ」や「シキミ」が挙げられます。これらの植物は、月桂樹と葉の形が似ているため、見分け方をしっかり覚えておくことが大切です。
月桂樹(ローリエ) | キョウチクトウ | シキミ | |
---|---|---|---|
毒性 | ほぼ無毒(食用可) | 猛毒(全体に有毒) | 猛毒(特に実に強い毒) |
葉の特徴 | 縁が波打っている。葉脈がはっきりしている。光沢がある。 | 細長く、葉の裏が白っぽい。3枚が輪生する。 | 葉をちぎると特有の香り。葉の縁はなめらか。 |
香り | 爽やかで清涼感のある独特の香り。 | 特有の香りはない。 | 抹香や線香のような独特の強い香り。 |
見分ける一番のポイントは「香り」です。月桂樹の葉は、ちぎるとカレーやポトフに使われるローリエ特有の爽やかな香りがします。もし葉をちぎっても香りがしない、あるいは全く違う香りがする場合は、有毒植物の可能性があるので絶対に口にしないでください。
※植物の同定に不安がある場合は、専門家や公的機関に相談することをお勧めします。
月桂樹を庭に植えてはいけない場合の育て方
- 健康で元気な月桂樹の苗の選び方
- 月桂樹の基本的な育て方と剪定のコツ
- 鉢植えでコンパクトに管理する方法
- 挿し木で月桂樹を増やす際の注意点
- 月桂樹を庭に植えてはいけない理由の総括
健康で元気な月桂樹の苗の選び方
月桂樹を元気に育てるための第一歩は、健康な苗を選ぶことです。園芸店やホームセンターで苗を選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。
- 葉の色とツヤ: 濃い緑色で、ツヤとハリがあるものを選びます。葉が黄色がかっていたり、斑点があったりするものは、栄養不足や病気の可能性があるので避けましょう。
- 枝ぶり: 幹がしっかりとしていて、枝がバランスよく出ているものが良い苗です。ひょろひょろと間延びしているものは避けましょう。
- 病害虫の有無: 葉の裏や枝の付け根などをよく見て、カイガラムシやアブラムシなどの害虫がついていないか確認します。白い綿のようなものや、黒いすすのようなものが付着しているものは要注意です。
- 根の状態: ポットの底穴から、白く健康的な根が少し見えている状態が理想的です。根が黒ずんでいたり、ポットの中で根がぎゅうぎゅうに詰まっている(根詰まり)ものは、植え付け後の成長が悪いことがあります。



月桂樹の基本的な育て方と剪定のコツ
月桂樹は基本的に丈夫で育てやすい植物ですが、いくつかのポイントを押さえることで、より健康に美しく育てることができます。特に重要なのが「剪定」です。
育て方の基本
- 水やり: 乾燥に強いので、水のやりすぎは禁物です。地植えの場合は、根付いてしまえば基本的に水やりは不要で、自然の降雨に任せて問題ありません。鉢植えの場合は、土の表面が完全に乾いたらたっぷりと与えるようにします。
- 肥料: 多くの肥料は必要ありません。生育が活発になる春(3月頃)と、成長が落ち着く秋(9月頃)に、緩効性の化成肥料や油かすなどを少量与える程度で十分です。
剪定のコツ
月桂樹の管理で最も重要な作業が剪定です。剪定の目的は、①大きさをコントロールすること、②風通しを良くして病害虫を防ぐこと、③樹形を美しく整えることです。
剪定の時期と方法
最適な時期は、新芽が伸び始める前の3月〜4月か、花の咲き終わった後の6月頃です。真夏や冬の厳しい時期の強剪定は木に負担をかけるので避けましょう。
- 間引き剪定: 混み合っている枝や、内側に向かって伸びている不要な枝を付け根から切り取ります。これにより、内部まで日光が届き、風通しが良くなります。
- 切り戻し剪定: 木全体の大きさを抑えたい場合は、伸びすぎた枝を途中で切り詰めます。このとき、葉の付け根のすぐ上で切ると、そこから新しい芽が出やすくなります。
剪定を怖がらずに、毎年少しずつでも手を入れることが、月桂樹をコンパクトで健康に保つ秘訣です。
鉢植えでコンパクトに管理する方法
「地植えにすると大きくなりすぎるのが心配…」という方には、鉢植えでの管理が非常におすすめです。鉢植えにすることで根の成長範囲が制限されるため、木の大きさを自然とコンパクトに保つことができます。
鉢植え管理のメリットは以下の通りです。
- サイズの制御: 地植えのように際限なく大きくなるのを防げます。
- 移動が容易: 季節に応じて日当たりの良い場所や、台風の時に安全な場所に移動できます。
- 管理の手軽さ: 水やりや肥料の管理がしやすく、目の届く範囲で手入れができます。
鉢植え管理の注意点
- 水やり: 地植えよりも土が乾燥しやすいため、土の表面が乾いたら忘れずに水やりをしましょう。特に夏場は水切れに注意が必要です。
- 植え替え: 2〜3年に一度は、根詰まりを防ぐために一回り大きな鉢に植え替える必要があります。植え替えの適期は春(3月〜5月)です。
- 用土: 水はけの良い土を好むため、市販の観葉植物用の土や、赤玉土と腐葉土を混ぜたものなどが適しています。
ベランダや玄関先など、限られたスペースでも月桂樹を楽しみたい方には最適な方法です。
挿し木で月桂樹を増やす際の注意点
月桂樹は「挿し木」という方法で簡単に増やすことができます。剪定した枝を利用して、新しい株を育ててみましょう。
挿し木の最適な時期は、気温が高く成長が活発な6月〜8月頃です。
挿し木の手順
- 挿し穂の準備: その年に新しく伸びた、元気の良い枝を10〜15cmほどの長さに切ります。先端の葉を2〜3枚残し、下の葉は全て取り除きます。切り口はカッターなどで斜めにスパッと切ると、吸水面が広くなり成功率が上がります。
- 水揚げ: 切った挿し穂を、コップなどに入れた水に1〜2時間ほど浸けておきます。
- 土に挿す: 赤玉土や挿し木用の清潔な土をポットに入れ、十分に湿らせておきます。割り箸などで穴を開け、そこに挿し穂を挿します。
- 管理: 土が乾かないように管理し、直射日光の当たらない明るい日陰に置きます。ビニール袋をかぶせて湿度を保つと、より発根しやすくなります。



挿し木の注意点
挿し木に使う土は、肥料分を含まない清潔なものを使用してください。肥料が入っていると、切り口が腐ってしまう原因になります。また、一度に複数本を試すことで、成功する確率を高めることができます。
月桂樹を庭に植えてはいけない理由の総括
この記事では、月桂樹を庭に植える際の注意点や、上手な育て方について解説しました。最後に、記事の要点をリストでまとめます。
- 月桂樹は成長が非常に早く、放置すると10m以上の大木になる可能性がある
- 旺盛な成長力を管理するため、年に1〜2回の定期的な剪定が不可欠
- 根が浅く横に広がるため、建物の基礎や水道管の近くには植えない
- カイガラムシなどの害虫がつきやすく、すす病の原因になることがある
- 対策として剪定で風通しを良くすることが重要
- 風水的には「勝利」「栄光」を象徴する縁起の良い木とされる
- ただし手入れを怠り荒れた状態になると運気を下げる可能性もある
- 日当たりと水はけの良い場所を好む
- 毒性のあるキョウチクトウやシキミと葉が似ているため注意が必要
- 見分けるポイントは葉をちぎった時の爽やかな香り
- 地植えが心配な場合は、鉢植えでコンパクトに管理するのがおすすめ
- 鉢植えは2〜3年に一度の植え替えが必要
- 剪定した枝を使って挿し木で簡単に増やすことができる
- 「植えてはいけない」と言われる理由は、主にその強すぎる生命力と管理の手間にある
– 丈夫な植物だが、苗を選ぶ際は葉の色ツヤや病害虫の有無をチェックする